通過する職務経歴書の書き方まとめ

職務経歴書とは?

職務経歴書(履歴書)は、自身の職務経験といった過去および現在の仕事内容や能力、学歴、資格などのスキル情報をまとめた文書であり、転職の際に提出する重要な資料です。履歴書と異なり、学歴や生年月日といった基本的なプロフィールではなく、これまでどのような仕事に携わり、どのような成果を上げてきたかをアピールするために使用します。

職務経歴書と履歴書の違いは?

職務経歴書と履歴書の違いは、以下の通りです。

履歴書:住所や職歴、学歴といった個人情報を主に確認するための書類
職務経歴書:具体的な業務内容を記載し、どのような成果をあげたのかを記載していく書類

履歴書にも職歴は記載しますが、あくまでもいつ入社し、いつ退職したのかといった情報を記載するだけで、職務経歴書はもっと具体的にどこの部署にいてどのようなことをしてきたのかを記載します。

職務経歴書はどの程度書く?

一般的に職務経歴書はA4で1~2枚と言われていますが、職歴が長くなれば長くなるほど、当然職務経歴書も長くなります。私は5枚ほどになります。長ければいいということではありませんが、短くすることで以前の職歴がわからないということがないようにしています。特に直近の職歴のみを重点的に書くとそれだけしか経験がないようにみられてしまうので、まずは自分なりに記載。それを転職エージェント等に相談するのがいいでしょう。

職務経歴書で一番大事なのは直近の経歴

個人的に一番大事なのは直近の経歴と感じます。直近の経歴と応募した求人のマッチ分を応募先企業はみてきます。ただ、自分の職歴やスキルにすべてがあてはまる求人はなかなかないのが現状です。そこを埋めてくれるのが転職エージェントです。

面接では職務経歴書を中心に会話が展開される

面接でも職務経歴書の内容を中心に質問がされます。職務経歴書の内容は自分のアピールポイントですので、職務経歴書について深く聞かれることを想定し、面接に備えるようにしましょう。特にポイントとしては「職務経歴書にはこのように書いていますが、具体的に教えてください」「職務経歴書に賞を受賞したとありますが、あなたの役割はどのようなものでしたか?」といった具合です。受賞したことなどは職務経歴書に記載すべきですが、自分がどのようなことをその中で行ったのかしっかりと整理しておきましょう。

職務経歴書のフォーマット

職務経歴書のフォーマットには、編年体形式、逆編年体形式、およびキャリア形式の3つの一般的な形式があります。それぞれの特徴と使い方を以下で説明します。

1. 編年体形式

  • 特徴: 時系列順に経歴を記述します。最新の経歴から過去へと順に並べます。最新の職歴が上部にきて、だんだん新卒の経歴になるようなやり方です。
  • 使い方: 現在の職歴や最も重要な経験が求められる場合に適しています。経験者数が2社程度で直近の職種を強調したい場合はこちらを使用するといいでしょう。

2. 逆編年体形式

  • 特徴: 時系列の逆順に経歴を記述します。最も古い経歴から最新のものへと順に並べます。つまり、最新の職歴が下部に来ます。
  • 使い方: キャリアの中で特に新しい職歴が重要である場合や、最近の経験が求められる場合に適しています。一般的には、転職や職種変更が頻繁な場合や、長期間の欠職期間がある場合にも利用されます。職歴が多い方はこちらを使った方がいい気がします。理由は面接時の自己紹介時に新卒からのキャリアを語るためです。

3. キャリア形式

  • 特徴: 職歴や経験を時系列ではなく、特定の職務や役割ごとにまとめて記述します。各職務やプロジェクトごとに、業務内容や実績を詳細に示します。
  • 使い方: 職務ごとの成果やスキルを重視したい場合に適しています。特に、異なる職種や業界での経験が豊富で、それぞれの経験を強調したい場合に有効です。また、特定のプロジェクトや業務のみに焦点を当てたい場合にも適しています。IT系のエンジニア職種ではこちらを使用されている方が多いように思います。

一般的には編年体形式と逆編年体形式が多いような気がします。特に面接官が日本人の場合は編年体形式の方を好んでいようような気がします。

適切な形式を選択することで、自身のキャリアや経歴をより効果的に伝えることができます。また、応募する職種や企業によっても最適な形式が異なる場合がありますので、その点も考慮に入れると良いでしょう。

職務経歴書には正解のテンプレートは存在しない

上記に職務経歴書のテンプレートについて解説しましたが、履歴書とは違い、職務経歴書にはこうしなければいけないというテンプレートは存在しません。ただ、前述の通り、直近の職歴が主に聞かれるポイントとなりますので、私のように職歴が多い方は直近の経歴から書くのが一般的です(逆年月順)。

以下に、一般的な職務経歴書の構成とポイントを示します。

個人情報: 氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどの基本情報を記入します。

職務経歴: 過去の職歴を逆年月順に記載します。各職歴ごとに、以下の情報を含めることが一般的です。

  • 雇用期間(年月から年月まで)
  • 勤務先の名称・所在地
  • 担当した役職やポジション(昇進があった場合も記載すること)
  • 担当業務や職務内容(数値で示すと良い)
  • 達成した成果や実績(数値で示すと良い)

資格・免許: 保有している資格や免許を列挙します。資格名、取得日、発行機関などの情報を記載します。

自己PR: 自己PR欄を設け、自身の強みや志望動機、将来の目標などを記載します。ここで自己分析を行い、自身のキャリアについて簡潔に説明します。

重要なポイントとして、職務経歴書は企業や職種に応じて適切にカスタマイズすることが大切です。求められるスキルや経験に焦点を当て、過去の実績や経験を具体的に示すことが重要です。また、文面はわかりやすく、誤字や脱字がないように注意しましょう。

職務経歴書において重要なポイントはここ

第二新卒〜20代及び転職回数が2回程度で職務経歴書が1~2枚程度になる場合

職務経歴書が1枚程度になり、受賞したものなどがない場合、第二新卒のかたのようにアピールできるポイントが多くない場合、最も重要なのは「職務内容」「自己PR」「スキル」です。数多くの面接をこなしてきましたが、第二新卒および20代は主に面接時にここから質問されることが多かったです。理由はスタッフレベルでの採用となるため、ポテンシャルや会社とのマッチ度をみられていたのではないかと思います。

ちなみに職務経歴書の職務内容においてアピールポイントがないというのは採用側からしても雇うメリットがありませんので、初めての転職の方は必ず転職エージェントを使うのがおすすめです。

30代及び転職回数3回以上で職務経歴書が3枚以上の場合

職務経歴書が3枚以上になる場合は、「直近2社の職務内容」が最も重要です。30代で転職したことがない方は「直近2年程度のプロジェクト内容」となります。面接ではどのようなことをして、ビジネスを加速させたのかが問われます。採用側としては雇ってからすぐ即戦力として結果を出せるのかをみられています。

業界別職務経歴書の書き方ポイント

業界ごとに職務経歴書の書き方には違いがあります。以下では一般的な業界における職務経歴書の書き方を解説しますが、特定の業界に特化した書き方もありますので、応募する業界や職種に応じてカスタマイズが必要です。

1. IT・テクノロジー関連

  • 職務経歴: プロジェクト名やプロジェクトの概要、自身が担当した役割や業務内容、使用した技術やツールなどを具体的に記載します。特に成果や実績を数値や具体的な事例として示すことが重要です。どの程度工数が削減できた、どの程度インパクトがあったのかを記載しましょう。
  • スキル: 技術スキルやプログラミング言語、フレームワーク、ツールなどの詳細なリストを記載します。また、習得中のスキルや興味のある技術も明記すると良いでしょう。

2. マーケティング・広告関連

  • 職務経歴: 過去のマーケティングキャンペーンやプロモーション活動、ブランド戦略などに関わった経験を詳細に記載します。具体的なKPIや成果、クライアントとの関係性なども明示します。
  • スキル: もしデジタルマーケティング関連ポジションであれば、デジタルマーケティング、SEO、SNS広告などのスキルやツールの使用経験を列挙します。また、分析能力やコミュニケーション能力も重要です。

3. 医療・福祉関連

  • 職務経歴: 医療や福祉における実務経験や専門知識、介護業務、診療補助、医療機器の操作など、具体的な業務内容を記載します。患者や利用者とのコミュニケーション、チーム医療への貢献なども強調します。
  • 資格・免許: 医療従事者や介護職に関連する資格や免許を明記します。例えば、看護師免許や介護福祉士などが該当します。

4. 製造・製品開発関連

  • 職務経歴: 製造プロセスや製品開発プロジェクトにおける役割や担当業務、品質管理、改善活動などを具体的に記載します。製品の特長や技術的な課題に対する解決策も示します。
  • スキル: 製造技術、生産管理、品質管理などのスキルや経験を明記します。CADソフトウェアや統計解析ツールなどの専門ツールの経験も重視されます。

業界によっては、業界特有の専門用語やスキルが求められることがありますので、それらを適切に反映させることも重要です。また、応募する職種やポジションに応じて、職務経歴書の内容をカスタマイズすることが必要です。